大阪探訪記(by 桜華綴舎)

~隠れた名所と不思議なものを求めて~

櫟木山真福寺の記憶。美原区の真福寺地区を探訪【大阪府堺市美原区】

2025-06-21 22:17:59
2025-06-29 15:52:01
目次

大阪府堺市美原区には「真福寺(しんぷくじ)」という地区があります。

地図で見ると目立たない。観光地でもない。けれど歩いてみると、そこには古い街並みと、深い歴史の痕跡が残されていました。

(撮影・執筆 2025年6月)

真福寺の名前の秘密

現在の檪本神社

この「真福寺」という地名は、昔ここにあったお寺の名前に由来していて、なんとその寺は「櫟木山 真福寺(いちいもくさん しんぷくじ)」という山号を持つ由緒正しいお寺だったんです。

「櫟(いちい)」はどんぐりの木のこと。だから直訳すると「どんぐりの木の山の真福寺」って感じ。意外に渋いでしょ?

しかも近くの「櫟本神社(いちいもとじんじゃ)」の宮寺(神社に付属した寺)だったという話もあります。

櫟木山 真福寺・・・・・・現在は戦乱や時代の波でお寺は無くなってしまいましたが、その名だけは地域の地名として生き続けているわけです。

昔のまんまの家がたくさんある

真福寺を歩くと、昭和とか明治とか、いや江戸時代かも?ってくらい古い家がいくつか見受けられる。(もちろん今どきの最新家屋も多いぞ)

いわゆる旧家なのでしょう。今でも人が住んでいて、郵便受けやインターホンが最新式というギャップもおもしろい。

周りには細い道と昔ながらの水路、そしてため池。地元の人たちの暮らしが続いている証拠です。

ため池の「奥ヶ池」は地域のスーパー水源

堺市はため池がめっちゃ多いことで有名。もちろん真福寺にもため池がいくつかあるのよ。

特に「奥ヶ池」は江戸時代から農業用水の要で、隣町の松原市の農地にも水を供給していたという意外な力持ち。

ため池にだって水利権があって、地域の歴史を支えてきたんですね。

派手さがないのが良き

真福寺地区には観光地っぽい派手な施設はありませんし、大きな公園もない。けれども田舎ではなく、まあまあ都会。それはつまり住みやすい街と言えるのでは!!

こういった何気ない街って意外と深い歴史があったりするので街探訪がやめられないのです。

『美原区の真福寺地区』の場所

グーグルマップ

https://maps.app.goo.gl/gctxUJHa1aCLHLCCA

この記事を書いた人

しま(桜華綴舎 代表取締役)

大阪府堺市在住。ブログ歴10年以上。大阪探訪ライター&プロブロガー。 2014年から関西の珍スポットなどを紹介する「シマのブログ」(旧ブログ)を書き始め、2025年から新ブログ「大阪探訪記」として再始動しました。 当ブログでは大阪をメインに、関西の面白くて不思議な場所を紹介したり、街の歴史や文化を深掘りしていきたいと思っております。どうぞ楽しんでいってくださいね! また、私は、日本各地に残る史跡・戦跡・文化財などの調査記録を、ブログにまとめると同時に、Symbol(XYM)ブロックチェーン上にフルオンチェーンで保存する取り組みを2025年7月より開始しました。 ブロックチェーンの耐改ざん性と長期保存性を活かし、学術的資料を未来にそのまま残すことを目的としています。 このように学術的資料をフルオンチェーンで保存するのは、おそらく世界初の試みであり、静かな快挙でもあります。 研究者や歴史愛好家にとってはもちろん、未来の世代にとっても価値ある「デジタル遺産」となることを願っています。