大阪府堺市美原区には「真福寺(しんぷくじ)」という地区があります。
地図で見ると目立たない。観光地でもない。けれど歩いてみると、そこには古い街並みと、深い歴史の痕跡が残されていました。
(撮影・執筆 2025年6月)
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真福寺の名前の秘密
現在の檪本神社↑
この「真福寺」という地名は、昔ここにあったお寺の名前に由来していて、なんとその寺は「櫟木山 真福寺(いちいもくさん しんぷくじ)」という山号を持つ由緒正しいお寺だったんです。
「櫟(いちい)」はどんぐりの木のこと。だから直訳すると「どんぐりの木の山の真福寺」って感じ。意外に渋いでしょ?
しかも近くの「櫟本神社(いちいもとじんじゃ)」の宮寺(神社に付属した寺)だったという話もあります。
櫟木山 真福寺・・・・・・現在は戦乱や時代の波でお寺は無くなってしまいましたが、その名だけは地域の地名として生き続けているわけです。
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昔のまんまの家がたくさんある
真福寺を歩くと、昭和とか明治とか、いや江戸時代かも?ってくらい古い家がいくつか見受けられる。(もちろん今どきの最新家屋も多いぞ)
いわゆる旧家なのでしょう。今でも人が住んでいて、郵便受けやインターホンが最新式というギャップもおもしろい。
周りには細い道と昔ながらの水路、そしてため池。地元の人たちの暮らしが続いている証拠です。
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ため池の「奥ヶ池」は地域のスーパー水源
堺市はため池がめっちゃ多いことで有名。もちろん真福寺にもため池がいくつかあるのよ。
特に「奥ヶ池」は江戸時代から農業用水の要で、隣町の松原市の農地にも水を供給していたという意外な力持ち。
ため池にだって水利権があって、地域の歴史を支えてきたんですね。
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派手さがないのが良き
真福寺地区には観光地っぽい派手な施設はありませんし、大きな公園もない。けれども田舎ではなく、まあまあ都会。それはつまり住みやすい街と言えるのでは!!
こういった何気ない街って意外と深い歴史があったりするので街探訪がやめられないのです。
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『美原区の真福寺地区』の場所
グーグルマップ