ここは大阪府富田林市。
「通法寺町(つうほうじちょう)」にやってきました。
初見の人はまずこう思います。「ここに通法寺ってお寺あるんやろなぁ」と。
・・・・・・ところがどっこい。
通法寺跡は、実はお隣の“通法寺”という大字にあります。え、ややこし!となるのがこの町の第一関門。名前でボケてくるスタイル、嫌いじゃないです。
(撮影・執筆 2025年6月)
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通法寺町の名前の由来、平安武士のオーラただよう説
大字・通法寺にある通法寺跡↑(現在はお寺は無く、山門と鐘楼など、建物の一部が残っているだけです)
「通法寺町」っていう地名の由来は、ズバリお寺の名前。
その昔、このあたりには通法寺(つうほうじ)というすごいお寺があったんです。
誰の菩提寺かって?
源頼信、頼義、義家・・・・・・そう、あの“河内源氏”三代です。武士界のレジェンド一家。
ただし今そのお寺の跡地(通法寺跡)があるのは、実は隣の大字・通法寺という町。なんやねん隣かい、と思うかもしれませんが、昔の村の範囲は今とちょっとちゃうのでご愛敬。
つまりこの町、「今は静かな田園だけど、1000年前は源氏の法要でごった返してた」かもしれない場所なんです。
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一面の田畑!ときどきぶどう!ぜいたくな田園ミックス
町を歩いてまず驚くのが、広がる田畑の景色。
ほんまに視界のほとんどが田んぼか畑。大阪とは思えんスケール感です。
水の張られた田んぼに空が映ってるだけで、もうエモい。
畑では葉物野菜が元気に育ってて、「どこでもドアで田舎に来たんか?」って錯覚するレベルっす。
そして時々、ぶどう畑も顔を出します。
たぶんぶどう畑↑(間違ってたらごめん)
羽曳野といえばぶどうの名産地やけど、通法寺町の中ではぶどうはあくまで脇役なのかも?
メインは圧倒的に田んぼと野菜。派手さより実直さ。これがこの町のスタイル・・・・・・なんだと思う。
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民家は少なめ。でも古い家がええ味出してる
広大な田畑の中に、ポツポツと建っているのが、古い民家たち。
数は少ないけど、そのひとつひとつがしっかり存在感あります。
瓦屋根に木造の壁、年季の入った佇まい。
「何代にもわたってこの土地を守ってきたんやろなぁ」って思わせる重みがある家ばかり。
まさに“暮らしの遺産”という感じで、景色の中にスッと溶け込んでるんです。
新しい家はほとんど見かけへんけど、そのぶん時間の流れそのものが風景になってる気がしました。
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目立たない、でもそれがいい!
通法寺町で一番目立っていると思う壁から飛び出す恐竜↑(アート系企業の工場です)
正直言って、通法寺町は観光地っぽさは皆無です。
カフェも、案内板も、にぎやかな通りもありません。
でも、そのぶん歩いてると田畑の音と風のにおいがじっくり味わえる。
名前のややこしさにツッコミ入れながら、野菜畑のそばを歩く午後・・・・・・これ普通に贅沢やんな?
そして静けさのなかに、源氏の影がチラリと見え隠れする。
地味やけど奥が深い。地図に出えへん“良さ”が詰まってる。
そんな町なんです。
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通法寺町は「歴史×田畑×静けさ」の三拍子やで
通法寺町は、地名の由来からして深い。源氏三代の菩提寺の名を今に残しつつ、現代では静かな農村としてゆるやかに暮らしが続いています。
ぶどう畑が主役かと思いきや、実際は田んぼと野菜畑がメイン。
民家は少なめで、そのほとんどが年季の入った古い家々。
何もないようで、よく見ると、全部ちゃんとある。
そんな“じわじわ好きになる町”、それが通法寺町です。
ついでに隣の「大字・通法寺」の通法寺跡にも足を伸ばして、源氏の歴史もセットで味わってみてくださいな!
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『通法寺町』の場所
グーグルマップ