「大字・西板持」にやってきた!
「大字・西板持(にしいたもち)」──名前はやたら厳ついけど、実際行ってみたら畑しかない! しかも人も住んでない! そして謎の一軒家(ただし無人)だけが建っている……!
とにかくめちゃくちゃ小さい町!!
この記事では、そんな“存在感ゼロのクセに地名だけは残ってる”大字・西板持の現地レポートをお届けします。
(撮影・執筆 2025.7)
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【大前提】「西板持町」とは全然ちゃうからな!
まずはコレだけ言わしといてください。
「西板持町」と「大字・西板持」はまったくの別もん!
名前はそっくりでも、内容は月とスッポン、いや田んぼと住宅地です!
「西板持町」は宅地化されたエリアで、普通に住宅とかお店とかあるんですよ。
一方、「大字・西板持」は、田んぼオンリー・人ゼロ・小屋1軒だけという、もはや“地名の抜け殻”みたいな土地。
まちがって「こっちに家建てよか」って来てもうたら、家より先に稲が生えるで。ほんまに。
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見渡す限り田んぼ。そして・・・・・・
まずはコチラをご覧ください。
大字・西板持の全景↑(ビニールハウスの奥あたりまでが大字・西板持の土地にあたる)
住宅もお店もゼロ。おまけに隣に川(石川)も流れてて、完全に“農業特化エリア”。
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唯一の建物は……謎の白い小屋!
そんな田園地帯の道路脇にポツンと一軒、コンクリート製の小さな建物があります。
パッと見「倉庫? ポンプ室? 秘密基地?」みたいな感じですが、壁にプレートが。
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正体は「欠田井堰」の管理施設!
大字・西板持のすぐ横に流れる「石川」↑(川が段差になっているのが欠田井堰)
どうやらこの建物は、石川の「欠田井堰」という水利施設(小さなダム)の管理小屋のようです。1997年に大阪府が整備し、堤の高さ1.34m・川幅43m──って、やたら細かい。
この欠田井堰で川の水の流量を調整するみたいですね。
つまり、ここ西板持には「人は住んでないけど、水は管理されてる」という、非常にニッチな役割が与えられているわけです。
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なんでこんな場所が地名として残ってるの?
石川の河川敷グラウンド↑(地図上ではギリギリ、大字・西板持の土地となっている)
正直、「町」と呼ぶには畑しかないこの西板持。でも地名がしっかり残っているのは、以下の理由がありそうなんです。
・かつての「板持村」の一部(西側)だったため、大字として分筆された名残。
・石川沿いの農業用地として、今も現役で利用されてる。
・周囲が宅地化される中、ここだけ“取り残された農地”として生き残った。
ほかにも理由はいろいろあるのかと。総合的に考えた結果、富田林市のお偉いさんたちが大字・西板持として残したほうがいいとして、今の状態になったのでしょう。
今どき、住民ゼロで農地オンリー、管理小屋が主役という町名なんて、なかなかありません。
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畑に囲まれた「地名の抜け殻」
富田林市・大字西板持は、まるで地名だけが残された“農地の孤島”のような場所でした。
人も住んでへん。お店もない。あるのは田んぼと堤防と小屋だけ。けど、その小屋が川を守ってるという事実に、ちょっと感動するやん?
もはやここは、“住むための町”ではなく“農業と水を流すための町”。
地味すぎて逆におもしろい。そんな「大字・西板持」、ぜひ一度歩いてみてください。たぶん誰にも会いませんけど。
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『大字・西板持』の場所
グーグルマップ