大阪探訪記

~隠れた名所と不思議なものを求めて~

もはや“地名だけの町”! 大字「西板持」は畑と小屋しかなかった件【大阪府富田林市】

2025-07-18 21:55:28
2025-07-18 22:10:12
目次

「大字・西板持」にやってきた!

「大字・西板持(にしいたもち)」──名前はやたら厳ついけど、実際行ってみたら畑しかない! しかも人も住んでない! そして謎の一軒家(ただし無人)だけが建っている……!

とにかくめちゃくちゃ小さい町!!

この記事では、そんな“存在感ゼロのクセに地名だけは残ってる”大字・西板持の現地レポートをお届けします。

(撮影・執筆 2025.7)

【大前提】「西板持町」とは全然ちゃうからな!

まずはコレだけ言わしといてください。

「西板持町」と「大字・西板持」はまったくの別もん!

名前はそっくりでも、内容は月とスッポン、いや田んぼと住宅地です!

「西板持町」は宅地化されたエリアで、普通に住宅とかお店とかあるんですよ。

一方、「大字・西板持」は、田んぼオンリー・人ゼロ・小屋1軒だけという、もはや“地名の抜け殻”みたいな土地。

まちがって「こっちに家建てよか」って来てもうたら、家より先に稲が生えるで。ほんまに。

見渡す限り田んぼ。そして・・・・・・

まずはコチラをご覧ください。

大字・西板持の全景↑(ビニールハウスの奥あたりまでが大字・西板持の土地にあたる)

住宅もお店もゼロ。おまけに隣に川(石川)も流れてて、完全に“農業特化エリア”。

唯一の建物は……謎の白い小屋!

そんな田園地帯の道路脇にポツンと一軒、コンクリート製の小さな建物があります。

パッと見「倉庫? ポンプ室? 秘密基地?」みたいな感じですが、壁にプレートが。

正体は「欠田井堰」の管理施設!

大字・西板持のすぐ横に流れる「石川」↑(川が段差になっているのが欠田井堰)

どうやらこの建物は、石川の「欠田井堰」という水利施設(小さなダム)の管理小屋のようです。1997年に大阪府が整備し、堤の高さ1.34m・川幅43m──って、やたら細かい。

この欠田井堰で川の水の流量を調整するみたいですね。

つまり、ここ西板持には「人は住んでないけど、水は管理されてる」という、非常にニッチな役割が与えられているわけです。

なんでこんな場所が地名として残ってるの?

石川の河川敷グラウンド↑(地図上ではギリギリ、大字・西板持の土地となっている)

正直、「町」と呼ぶには畑しかないこの西板持。でも地名がしっかり残っているのは、以下の理由がありそうなんです。

・かつての「板持村」の一部(西側)だったため、大字として分筆された名残。

・石川沿いの農業用地として、今も現役で利用されてる。

・周囲が宅地化される中、ここだけ“取り残された農地”として生き残った。

ほかにも理由はいろいろあるのかと。総合的に考えた結果、富田林市のお偉いさんたちが大字・西板持として残したほうがいいとして、今の状態になったのでしょう。

今どき、住民ゼロで農地オンリー、管理小屋が主役という町名なんて、なかなかありません。

畑に囲まれた「地名の抜け殻」

富田林市・大字西板持は、まるで地名だけが残された“農地の孤島”のような場所でした。

人も住んでへん。お店もない。あるのは田んぼと堤防と小屋だけ。けど、その小屋が川を守ってるという事実に、ちょっと感動するやん?

もはやここは、“住むための町”ではなく“農業と水を流すための町”。

地味すぎて逆におもしろい。そんな「大字・西板持」、ぜひ一度歩いてみてください。たぶん誰にも会いませんけど。

『大字・西板持』の場所

グーグルマップ

https://maps.app.goo.gl/kqbogWp5V69nMp5N7

この記事を書いた人

しま(桜華綴舎 代表取締役)

ブログ歴10年以上。大阪探訪ライター&プロブロガー。 2014年から、関西の珍スポットなどを紹介する「シマのブログ」(旧ブログ)を書き始め、2025年から新ブログ「大阪探訪記」として再始動しました。 当ブログでは大阪をメインに、関西の面白くて不思議な場所を紹介したり、街の歴史や文化を深掘りしていきたいと思っております。楽しんでいってね!