大阪人探訪記

~隠れた名所と不思議なものを求めて~

イズミヤ松原、55年の歴史に幕。地元で愛された“昭和の百貨店”がついに完全閉店へ【大阪府松原市】

2025-07-05 21:17:58
目次

大阪府松原市にある「イズミヤショッピングセンター松原」(通称:イズミヤ松原)が、2025年秋ごろに閉店予定となりました。

昭和45年(1970年)の開業以来、実に55年。

地元の人たちにとっては、「あそこ行ったらだいたい何でもそろう」「ちょっと寄ってこか」と気軽に立ち寄れる場所。

家族連れ、学生、年配の方まで、世代を越えて親しまれてきた“町の百貨店”でした。

(撮影・執筆 2025年6月)

昭和の面影を残す店内と、ぬくもりの詰まった空間

近年の大型モールのような華やかさはないけれど、どこか懐かしくてホッとする店内。

ベージュの床に素朴な看板、ところどころ色あせたポスター・・・・・・そんな光景が“昭和の空気”を今もそっと残しています。

歩いているだけで「昔のイズミヤ、ようこんなんやったなぁ」と思い出がよみがえる、そんな空間でした。

「55年間ありがとうの思い出コーナー」が泣ける

閉店に合わせて設置されたのが、1階特設の「55年間ありがとうの思い出コーナー」。

開店当時のモノクロ写真、昔のチラシ、当時のお客さんの姿などがズラリと並び、見ているだけでタイムスリップしたような気分になります。

お客さんの直筆メッセージも展示されていて、思わずウルっとくる内容ばかり。

3階には園児たちの作品展「お花を植えたよ」

さらに3階では、近くの幼稚園の子どもたちによる作品展「お花を植えたよ」が開催されていました。

カラフルなお花の絵、ニコニコ笑顔の子どもたち、先生と一緒に苗を植える様子など、ほっこりする可愛い作品が壁いっぱいに展示され、買い物に来た人たちの足を止めていました。

「いつも来てた場所に、自分の絵が飾られてる」

子どもたちにとっても、きっと忘れられない思い出になることでしょう。

売り尽くしセール開催中! そして人気の宝くじ売場

中に入っている各店舗では閉店売り尽くしセールをやっていました。

食料品や衣料品、日用品などが特価で販売され、平日でも多くのお客さんでにぎわっています。

そして宝くじ売り場には、なんと列が!

地元ではちょっとした“当たりスポット”として有名だったようで、「最後にここで一発当ててみよか!」と気合いの入った人たちが並ぶ姿も。

閉店の背景には、大型施設との競争も

フードコート↑

閉店の背景には、近年の大型商業施設との競争があります。

「セブンパーク天美」「イオンタウン松原」「ららぽーと堺」など、周辺には新しい大型モールが続々オープン。

その中で、昔ながらのイズミヤは、少しずつ存在感を失っていったのかもしれません。

けれど、それでも変わらず通い続けた人がいた。

それは、ここが“便利”より“心地よさ”を大事にした場所だったからやと思います。

跡地には何ができる? 今後の行方は・・・

開業当初の松原ショッピングセンター(イズミヤ松原)の写真↑

閉店後の跡地については、まだ公式な発表はありません。

今後どうなっていくのか、地元の注目が集まっています。

イズミヤ松原、ほんまありがとう

子どもの頃に食べたアイス、おばあちゃんと選んだ冬の服、美味しかったフードコートの料理・・・・・・

そんな思い出がたくさん詰まった場所が、まもなく静かに幕を下ろします。

55年間、おつかれさまでした。

そして、ありがとうイズミヤ松原。

『イズミヤショッピングセンター松原』の場所

グーグルマップ

https://maps.app.goo.gl/kymUFcPWdKNcZgAU9

この記事を書いた人

しま

ブログ歴10年以上。大阪を中心にいろんなところを歩きまくっている人。 2015年から関西の珍スポット(B級スポット)などを探訪するブログを書き始めましたが、2025年に新さくらのブログ(当ブログ)に引っ越してきました。 当ブログでは大阪をメインに面白くて不思議な場所を紹介したり、街の歴史や文化を深掘りしていきたいと思っております。