川面町 石川沿いにひょっこり現れる、のんびりゾーン
川面町会館↑
大阪府富田林市、石川にぺったり寄り添う川面町(かわづらちょう)。
地図で見ると「川にくっつきすぎちゃう?」ってぐらいの立地。今回はここを歩いてきましたよ~。
実際歩いてみると、新旧さまざまな住宅が入り混じった閑静な住宅街といったかんじでした。そんな一見普通の町に見える川面町を一緒に探検しましょう!
(撮影・執筆 2025.8)
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町の成り立ちと名前のひみつ
川面町に接する河川、石川↑
昔は「川面村」って名前で、江戸時代には船着場として大活躍。大阪や大和川方面に荷物を運ぶ“水運の要”だったんです。今で言うなら高速道路のインターぐらい重要ポジション。
名前の由来も超シンプル。「川の水面に面してるから川面」(有力説)――そのまんまやん!ってツッコミたくなるけど、そういう素直さ嫌いじゃないです。
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深溝井路と川面町の農業 ~昔は水の町だったんやで~
斜面建つ住宅↑
古いお屋敷もけっこうある↑
今の川面町を歩くと、住宅がずらーっと並んでいて、「ここ、ほんまに農村やったん?」って首をかしげるかもしれません。
でも江戸時代や明治のころ――この町はバリバリの田んぼゾーンやったんです。
その田んぼを潤してたのが、石川から水を引く深溝井路(ふこうどいろ)。
井路は石川の水を粟ヶ池にためて、そこから川面村(いまの川面町)を含む五つの村の田んぼに水を配給。現代で言うなら「村ぐるみの巨大ウォーターサーバー」みたいなもんですね。
もちろん水の管理は村同士の共同作業。
「おい川面村!きのう水取りすぎやろ!」「そっちも夜中にこっそり流してたん見たで!」みたいな、今の水道トラブルさながらのやりとりがあったとか、なかったとか・・・・・・想像するとちょっと笑えますが、この当時、水の管理は村人たちの命にかかわる重要事項だったんです。
いまの川面町には田んぼの風景は残ってへんし、深溝井路そのものも無い(他の周辺地域には深溝井路が残っているところもある)けど、かつて川面町は“水と共に生きる農村”やったんやなぁ、と石川沿いを歩くとしみじみ思います。
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秋のハイライト!石川型だんじり祭り
川面町といえばやっぱりだんじり。
富田林のだんじりは「石川型」と呼ばれていて、泉州のゴリゴリ岸和田型とはまた別物。スリムで小回りがきくスタイルが特徴です。
毎年10月、美具久留御魂神社(みぐくるみたま、通称:喜志の宮)に向けて宮入するんですが、普段は静かな道が一瞬でフェス会場に変わるそうな。掛け声と太鼓の音、テンションMAXの地元民――そんな、普段の静かな川面町とは違う一面も魅力なのだと思います。
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買い物スポットはお隣さんにおまかせ
お隣の町、太子町の買い物スポット↑
川面町そのものには、これといった大型のスーパーやショッピングセンターはありません。
けど心配ご無用。石川の橋を渡り、隣の太子町まで足をのばせば――
ラ・ムー(激安系スーパー)
コスモス薬品(ディスカウントドラッグ)
カインズ(ホームセンター)
・・・・・・といった大きなお店が並んでいて、日用品や食料品はしっかりそろいます。
「川面町にはおっきな店ないやん!」とツッコミたくなっても、実は歩いて数分〜車ですぐの距離に買い物スポットがあるという、田舎でも都会でもない絶妙ポジション。
のんびりした町歩きを楽しみつつ、必要なものはサクッと隣町で調達できる――そんな暮らしやすさも魅力のひとつです。
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石川の河川敷は“町の庭”
川面町の西の端っこ、石川沿いに広がるのが河川敷エリア。ここ、町の人にとっては巨大な“裏庭”みたいな存在です。
住宅地のすぐ裏手なのに、堤防を降りると一気に景色が変わって、草のにおいと川のせせらぎ。子ども時代に「秘密基地」作ったり、虫取りしたりした人も多いんちゃうかな。
しかもここ、季節ごとに雰囲気がガラッと変わります。春は花見、夏は虫取り、秋はジョギング、冬は・・・・・・犬の散歩? 特別な施設はないのに、いつでも町の暮らしと寄り添ってる場所なんです。
町歩きでちょっと疲れたらベンチに腰かけて、川面に吹く風に当たってみるのもおすすめですよ。
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実際に歩いてみて・・・・・・
細い路地を抜けたら川の堤防、また曲がったら行き止まり、そして古民家と新築の連続・・・・・・と、まるで“町歩きガチャ”。一歩進むごとに景色が変わるのが面白いんです。
気づいたらスマホの地図アプリがぐるぐる回ってて、「あれ? 今どこ向いてるん?」ってなるのもお約束。迷子もまた楽しみのひとつ。
大きな観光名所があるわけじゃないけど、歩いてるだけで「昔の川面村」にタイムスリップした気分。富田林寺内町の帰りにちょっと寄り道してみると、意外な発見がありますよ。
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富田林市『川面町』の場所
グーグルマップ