美原本通り商店街を歩いた!
堺市美原区の真ん中にある美原本通り商店街。
今は静かなローカル商店街ですが、昭和から平成初期にかけては、「ここを歩けば何でもそろう!」といわれたほどのにぎわいを誇っていたそうな。
(撮影・執筆 2025.7)
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成り立ちと街道の記憶
美原区の商店街共通のキャラクター「みっぱら」↑
この商店街のルーツは、古代までさかのぼります。
近くには日本最古の官道とされる竹内街道が通り、人や物が絶えず行き交っていました。
戦後、周辺に府営住宅や団地が建ち並ぶと、暮らしの中心として自然に商店が集まり、「美原の本通り」と呼ばれる通りが形成されていきます。
昭和40〜50年代には、夕方になると通りは買い物客でいっぱい。
八百屋の元気な呼び声、パン屋の焼き立ての匂い、肉屋の揚げ物の音・・・。
ランドセルの子どもから買い物カゴを提げたお母さんまで、「人の流れが止まらない」――そんな景色が日常だったようです。
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昔のにぎわいと今の姿
商店街最盛期の頃は季節ごとの催しも盛んで、夏祭りの日は提灯がずらりと並び、商店街じゅうが縁日のよう。
お正月前はしめ縄や鏡餅を売る店が立ち並び、子どもたちはお年玉片手におもちゃ屋へ駆け込む――「あの頃のにぎわい、今も思い出せる」という声が、地元の人からも聞かれました。
今は店舗数こそ減ったものの、パン屋や肉屋、郵便局、スーパーが並び、地元の暮らしを静かに支え続けています。
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商店街の今を彩るお店たち
パン屋 スエヒロ
パン屋「スエヒロ」↑(昔はここの裏手のほうで営業していたらしく、旧スエヒロ店舗の看板が今でも残っていました)
2024年にスエヒロで買ったクリームパン?ドーナツ?↑(うろ覚えなので値段も商品名も忘れたけど、安くて美味しかったことは覚えているぞ!)
昔から地元の胃袋を満たしてきたスエヒロ。
ふわふわ食パンや総菜パンは「安くて美味しい」と評判で、「子どものころの味が今も変わらない」という常連さんも多い名店です。
実はここ、SNSでも有名なお店らしく、筆者も2024年に買い物に訪れているんだぞ。
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食肉銀行 たつみや食品
たつみ食品↑
肉屋のたつみ食品は、昔から“揚げたてミンチカツ”が人気。
2024年にたつみや食品で買ったミンチカツ↑(お肉たっぷりで美味しかった!)
放課後に小銭を握りしめて並ぶ子ども、夕飯用に買うお母さん――そんな光景は今も変わらず、商店街の名物として愛されています。
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昭和レトロなおもちゃ屋
プラモデルやブリキのおもちゃが並ぶ昭和レトロなおもちゃ屋。
昔は子どもたちのたまり場で、今は昭和マニアが通う“タイムカプセル”のような存在です。
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スーパー「サンプラザ美原余部店」
そして現代の商店街の要、サンプラザ。
かつては別のスーパーだったという記憶を持つ人もおり、「昔のここの名前覚えてる?」なんて会話が今でも交わされるのが、この商店街らしさです。
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周辺環境と朝市
周辺には府営住宅や新興住宅地が広がり、団地+戸建てのミックスした町並みが特徴。
近くを流れる西除川沿いには小さな町工場も点在し、“暮らしと仕事が混ざる大阪の下町感”があります。
美原区では毎月第3土曜日には美原朝市が開かれ、開催場所としてこの商店街が選ばれることもあります。地元農家の野菜や、美味しい食品などがたくさん並びます。
また、100円商店街なるものも開催されることがあり、イベントの日は普段静かな通りが、一気にお祭りムードに変わるそうです。
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商店街を歩いてみて・・・
美原本通り商店街は、古代の街道文化を背に、昭和の高度成長期に誕生し、地元の暮らしを支えながらにぎわってきた“本通り”。
今は静かな商店街になりましたが、スエヒロのパンやたつみ食品のミンチカツの味は変わらずそこにあり、歩けば昔の風景が重なって見える――そんな、ちょっと切なくて懐かしい道が、ここにあります。
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『美原本通り商店街』の場所
グーグルマップ