美原区の菅生地区に来た!
菅生会館↑
大阪府堺市美原区の「菅生(すごう)」に足を踏み入れた瞬間、まず頭に浮かんだのは「読み方むずっ!」という疑問。
すなおに「すがお」って読んでしまいそうですが、正解は「すごう」。すごいの「すご」と同じ。
つまり「すごい町」=「菅生」・・・なんて無理やりなこじつけをしてしまいましたが、実際の地名の由来はもっとちゃんとしていて、昔このあたりに「菅(すげ)」がたくさん生えていたからなんだとか。
ススキみたいな草に町の名前を任せるあたり、平安貴族のネーミングセンスに脱帽です。
(撮影・執筆 2025.8)
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菅生神社と謎の伝説!?
町の真ん中にドーンと鎮座しているのが「菅生神社」。
ここは平安時代の古文書『延喜式』にも名前が載っている、由緒正しき神社です。ご祭神は菅原道真公。そう、あの学問の神様です。受験生が合格祈願に訪れたら、偏差値が菅生(すご)いことになるかもしれません。
菅沢↑
境内には「菅沢(すがのさわ)」と呼ばれる場所があり、「ここで道真公が生まれたんやで」という伝説まで残っているんです。いやいや、道真公は京都生まれちゃうん?・・・と思いつつも、地元の人にとっては大切なのはロマン。歴史の真偽なんてどうでもいい、ロマンこそが正義っ!!
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菅生の名産は“草”・・・ではなく、植木と古代米!
菅生に点在する造園地↑
造園業者が立ち並ぶ通り↑
「菅生といえばやっぱり草でしょ!」と思ったあなた。惜しい! 実際に盛んなのは植木の生産なんです。いわば“プロの草”ですね。庭木から街路樹まで、この町から旅立った緑たちが日本各地で活躍しているのです。
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さらに見逃せないのが、地元産の古代米を使ったグルメの数々。古代米じたいは菅生の名産というより、美原区全体の名産品といったかんじです。
美原区で買った古代米ピロシキ↑
ピロシキにロールケーキ、クッキー、稲荷寿司まで。「米ってここまでエンタメできるんや・・・」と感心せざるを得ません。個人的には古代米ロールケーキが気になるところ。食べると弥生時代の気分が味わえるかも?
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菅生の街並みを歩いてみた!
菅生の町は、のんびりとした住宅街と田畑、そしてちょこちょこ植木の畑が広がる、ほどよく田舎でほどよく都会なバランス感覚が魅力です。
菅生に流れる東除川↑
東除川や西除川がサラサラと流れていて、気分はちょっと「田園詩人」。詩人・伊東静雄も戦時中に疎開してきて、この地でインスピレーションを得たんだとか。なるほど、確かに詩人になりたくなる空気感。僕の場合は俳句すら五七五に収まらず破綻するんですが・・・。(白目)
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田んぼと溜め池
歩いてみて気づいたのは、菅生には田んぼも多いということ。
のどかな風景の中に広がる稲の緑は、まさに癒やしのパノラマです。
菅生では古代米の栽培をしているという話は聞かないですが、実際はどうなのかは不明。黒山地区には古代米を育ててる田んぼはいくつかあるんですが・・・。読者さんの中に、もし知ってる人がいたら教えてほしいです。
溜め池↑
話を戻し、菅生の田んぼのあいだには、ところどころに昔ながらの溜め池が残っていて、カエルの合唱や水面をすべるトンボたちが季節を彩っています。
都会の喧騒を忘れさせてくれる、まさに天然のリラクゼーションスポット。ここで深呼吸すれば、きっと酸素まで新鮮な気がしてきます。
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菅生の「だんじり」
菅生のだんじり車庫↑
菅生といえばやっぱり「だんじり祭り」。毎年秋になると、町じゅうが熱気に包まれます。
重厚なだんじりが町の道を練り歩く様子は菅生の風物詩ともいえます。岸和田とか、泉州の豪快なだんじりとは違い、この地区特有のゆったりとした曳行です。
しかし、ゆったり曳行とはいえ決して手は抜きません。普段はのんびりした田園風景の菅生も、この時ばかりはエネルギー全開の祭りモードに変身。子どもからお年寄りまで総出で盛り上がるこの行事は、菅生の人々の誇りそのもの。
だんじりを曳く若衆の掛け声が飛び交うと、見ているだけで胸が高鳴ってきます。
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菅生は“すごい”町だった!
菅生公園↑
地名の由来から神社の伝説、植木や古代米グルメまで、菅生は知れば知るほど「すごい」と言いたくなる町でした。歴史と自然と食と、ちょっと笑える伝説がそろっている場所ってなかなかありません。
「次の週末どこ行こうかな」と思ったあなた、ぜひ菅生へ。道真公もきっと「来たまえ」と笑顔で言ってくれてるはずです。
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美原区『菅生』の場所
グーグルマップ